消化器内科学講座 戻る
Department of Gastroenterology and Hepatology
部 門 総合医薬科学部門
分 野 生体機能病態学分野
ホームページ http://www2.kuh.kumamoto-u.ac.jp/gastro/



准教授 田中 基彦
講 師 直江 秀昭 (大学病院所属)
助 教 渡邊 丈久
研究テーマ
【研究プロジェクト名および概要】
  1. 消化器癌増殖進展機構の解明とそれに基づく治療法の開発
    ヒト消化器癌組織あるいはヒト消化器癌細胞株を対象に解析し、得られた知見をもとに新たな消化器癌の治療法へと展開する。
    1. 細胞周期の制御や生存シグナル制御による抗癌剤作用増強効果の検討
    2. 細胞死抵抗性を担う責任分子群の解明と細胞死誘導の基礎的検討
    3. 転移浸潤の責任分子群の同定とそれらの機能制御に基づく癌転移制御の試み
    4. 肝炎ウイルスあるいはピロリ菌感染と発癌との関連についての解析
    5. 薬剤耐性遺伝子と抗癌剤の薬物動態、治療効果との関連について検討
  2. 肝炎ウイルス持続感染の分子機構の解明
    C型、B型肝炎ウイルス持続感染の分子病態を解明し、新たな治療法を開発する。
    1. 宿主疾患感受性遺伝子の遺伝子多型と持続感染との関連の検討
    2. 局所・末梢血におけるサイトカインの動態と持続感染との関連の解析
    3. 持続感染の肝細胞機能に及ぼす影響についての分子生物学的解析
  3. アミロイドーシス病態解析と治療への応用
    さまざまなアミロイドーシスの診断法や治療法の開発を目指す。
    1. 消化器アミロイドーシスの病態解析と治療
    2. アミロイドーシスに対する免疫療法の開発
  4. 生活習慣病としての消化器疾患の発症機序の解明
    生活習慣病としての上部消化管疾患あるいは肝疾患について、発症メカニズムを疫学的、分子生物学的観点より解析し、その知見をもとに新たな治療法の可能性を探る。

 癌は1981 年以来、日本人の死亡原因の第1位であり、その蔵器別内訳では消化器系癌が大多数を占めている。このような消化器癌に対してはさまざまな治療法が導入されているものの、癌の芽とも呼ぶべき微小癌に対しては無力であり、新たな治療戦略の開発が急務である。我々の目標は、消化器系癌の発癌増殖進展機構を担う責任分子を明らかにし、その機能を制御することで微小癌の段階で抑制することにある。具体的には、1 )癌細胞の有する細胞死抵抗性を担う責任分子群の解明と細胞死誘導の基礎的検討、2 )腫瘍免疫不活性化のメカニズムの解明とcounter-strategyの開発、3 )転移浸潤の責任分子群の同定とそれらの機能制御に基づく癌転移制御の試み、4 ) 前癌状態を惹起する肝炎ウイルス感染あるいはピ口リ菌感染と発癌との関連についての解析などを行う。

基礎的な検討を微小癌に対するアプローチとしての分子標的治療法に応用し、発癌や転移を早期の段階で制御したい。

Cancer has been considered as the most major cause of death in Japan since 1981, and cancers in the gastrointestinal tract and liver are most common in a variety of cancers in the whole body. To date many therapeutic approaches have been developed, but there have been few strategies proposed against minute cancers. Aim of our research is to decipher the mechanisms of carcinogenesis and to modulate and/or regulate functions of the key molecules. We are attempting to 1)reveal the key molecules which may account for apoptosis of cancers cells, and to develop the counter strategy for drug resistance, 2)understand the mechanism(s) of escape from immune surveillance, 3)examine the mechanism(s) of metastasis and invasion in terms of regulating key molecules, 4)reveal the relation between viral or bacterial infection and carcinogenesis. On the basis of data obtained from the projects above, we wish to develop molecular target therapy in order to prevent cell growth and metastasis of cancers in the gastrointestinal tract and liver.