微生物薬学講座 戻る
Department of Pharmaceutical Microbiology
部 門 総合医薬科学部門
分 野 創薬科学分野
ホームページ http://www.ohtsuki-lab.jp/



教授 大槻 純男
sohtsuki(アットマーク)kumamoto-u.ac.jp
助教 伊藤 慎悟
助教 増田 豪
研究テーマ
【研究プロジェクト名および概要】
  1. 抗がん剤の開発を目指した、DNA複製制御機構の解明
    1. 複製開始蛋白質ORCと相互作用する因子の検索
    2. アデニンヌクレチド、膜リン脂質よるORCの活性制御機構の解明
  2. ストレス遺伝子に着目した、ゲノム創薬研究
    1. 胃粘膜にも心血管系にも安全な、非ステロイド系抗炎症薬の開発
    2. 分子シャペロン誘導剤による、アルツハイマー病治療法の確立
    3. DNAチップを用いたストレス遺伝子の網羅的解析とその創薬応用
    4. 非ステロイド系抗炎症薬によるアポトーシス誘導機構の解明
  3. 微生物の産生する生理活性物質に関する研究
    1. トポイソメラーゼ阻害による新規抗がん薬の開発
    2. 酵素阻害薬の構造活性相関
    3. 細胞増殖阻害薬の探索
    4. 抗ウイルス薬のスクリーニング
  4. ナノ粒子を用いたDDS技術による創薬研究
    1. 第三世代のリポPG製剤の開発
    2. 経口投与可能なインシュリン製剤
    3. DDS技術による、抗結核物質の肺への選択的移行


[拡 大]
ファッティビラシン FV-8の構造
Structure of fattiviracins FV-8
新しい医薬品を開発するためには、そのターゲットとなる新しい蛋白質(遺伝子)を発見する必要がある。我々はゲノム情報などを利用した新しい方法でその発見を目指している。例えば、DNA複製反応を細胞周期あたり一回に制御している機構を解明し、過剰な複製開始誘導により、がん細胞を特異的に死滅させる抗がん剤の開発を目指している。また疾患時に誘導されるストレス遺伝子(生体がストレスに対抗して誘導しているので、その働きを助ける物質は疾患治療薬になる)をDNAチップを用いて解析している。また代表的なストレス遺伝子である分子シャペロンが蛋白質のフォールディングを制御することに着目し、アルツハイマー病などの蛋白質フォールディング異常病(細胞内の蛋白質のフォールディング(高次構造)が異常になるために起こる疾患で、狂牛病や白内障もこれに属する)治療法の確立も目指している。
また、微生物が産生する抗がん薬や抗ウイルス薬を探索している。このうち、抗がん薬の標的酵素であるトポイソメラーゼを阻害するトポスタチンとイソオーロスタチンは従来の抗がん薬とは異なり、DNAに損傷を与えない新しいタイプの抗がん薬であった。また、抗ウイルス薬ファッティビラシンはヘルペス、ヒト免疫不全、インフルエンザウイルス等に有効な新規化合物で、臨床薬としての開発が期待される。現在、これら化合物の構造類似体を化学合成し、有効な抗がん薬、抗ウイルス薬の開発を進めている。

We search new proteins (genes) that should be new targets of medicine. For example, in order to induce over-initiation of DNA replication in cancer cells, we examine mechanism governing the regulation of DNA replication. We also analyze stress genes by use of DNAchip technique to established the clinical protocol for stress-induced diseases.
And also, we are searching for new antitumor and antiviral drugs produced by microorganisms. Topoisomerases are known to be the target enzymes of antitumor drugs. Topostatin and isoaurostatin having novel structures are the antitumor drugs of new type which do not give DNA damage unlike the conventional antitumor drugs. Fattiviracins found as antiviral agents are novel compounds effective for herpes, human immunodeficiency and influenza virus. Fattiviracins will be in clinical use for the treatment of viral diseases. Now, we have tried to find more effective antitumor and antivirus drugs by carrying out syntheses of the structure analogues.