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東海大学・熊本大学連携シンポジウムが実施されました

 令和6年11月30日、12月1日の両日、「東海大学総合医学研究所第20回研修会」が開催され、東海大学との包括的連携協定の下、初日に本学も参加し、東海大学・熊本大学連携シンポジウムが行われました。

 本学からは、小川久雄学長をはじめ、生命科学研究部の尾池雄一研究部長、田中靖人教授、澤智裕教授、押海裕之教授、大槻純男教授が参加し、東海大学からは、梶井龍太郎学長代理をはじめ、森正樹総合医学研究所長(医学部長)、渡辺雅彦医学部付属病院長、熊本キャンパス・阿蘇くまもと臨空キャンパスにある総合農学研究所の荒木朋洋教授のほか、医学部、体育学部、農学部の研究者や大学院生が参加されました。

 

 研修会では、初めに、森正樹所長から、本学との連携シンポジウムを実施する意義と、教育・研究のさらなる充実や人材育成などを目指して令和4年に締結した包括的連携協定の下、医学分野における研究交流を進めてきた経緯が紹介されるとともに、「教職員の交流や大型研究費の共同獲得に繋がればうれしい。熱いディスカッションを期待する。」との開会挨拶が述べられました。

 

 続く第1部では、東海大学の若手研究者による研究成果のプレゼンテーションや、共同利用施設の機器・運用の説明及び東海大学スポーツ医科学研究所の山田洋所長(体育学部教授)から、アスリートを対象とした研究として医学部と連携して展開している「スポーツ医学プロジェクト」の講演があり、活発な質疑応答や意見交換が行われました。

 

 第2部の「東海大学・熊本大学連携シンポジウム」では、まず、梶井龍太郎学長代理から、「文系を含むさまざまな分野にすそ野を広げ、両大学の連携を深めたい」との挨拶が述べられました。

 続いて、両大学の4名の研究者による講演が行われ、まず、本学の大槻純男教授から、「創薬・生命科学研究を加速するプロテオミクスとDDS」と題して、タンパク質の構造・機能解析法と薬剤を治療標的に選択的に届けるシステム(DDS)の概要、これらを用いた研究の支援活動について発表があり、東海大学の永井竜児教授からは、「AGEs測定で見えてきた代謝の異常と病態進展とのつながり」と題して、糖分の過剰摂取よりタンパク質が糖化してできるAGEs(最終糖化産物)と疾患との関連について発表がありました。

 続いて、本学の田中靖人教授から「B型肝炎創薬研究から臨床応用へ」と題して、機能的治癒を目指したB型慢性肝炎の新たな治療法の開発状況について発表があり、東海大学の津川仁准教授からは、「腸内細菌が支配する疾患発症の生物界間クロストーク」と題して、細菌の生体内侵入を防御する腸管粘膜バリアと腸内細菌との関係や、その破綻により引き起こされる疾患の発症機序について発表があり、各講演後には熱心なディスカッションが交わされました。

 

 第2部の最後に、小川学長から、「大変興味深いシンポジウムとなった。異なる分野を融合させて繋いでいけば、さらに面白い学問になると考える。ぜひ発展させたい」との閉会挨拶が述べられました。

 

 本学は、東海大学との更なる連携の強化を図り、研究の発展を図っていくこととしており、今回のシンポジウムは、その一環として実りある機会となりました。

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