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教育部長挨拶

医学教育部長 尾池 雄一
医学教育部長
尾池 雄一

山縣和也教育部長の後任として、2023年4月より大学院医学教育部長を拝命しました尾池雄一です。
大変光栄に思いますと共にその重責に身が引き締まる思いです。
これまで熊本大学から頂きましたご恩に報いることができるよう力の限り責務を果たしていく所存です。

大学院教育は、大学院副教育部長である押海裕之教授(免疫学)に牽引して頂いております。
大学の国際化が問われる中で、大学院教育では積極的に国際化に取り組んでいます。本学と海外の大学の両方から同時に博士号を取得することが可能となるダブルディグリープログラムの締結を数多くの大学と進めております。令和4年度に、タイのコンケン大学からの留学生(大学院生)が本プログラムで初めてダブルディグリー(博士号)を取得しました。

さらに、大学院へ進学を検討している留学生が本学に短期間滞在し、その研究と教育環境に触れることができるインターンシップ制度を新たに導入しました。文科省の国費外国人留学生の優先配置を行う特別プログラムも採択されており、多数の留学生が本学の大学院に在籍することで、大学院生の留学生比率を25%まで高めることができております。
熊本大学の医学・生命科学の研究水準は、世界トップレベルであると自負しています。大学院生の皆様には、この恵まれた研究環境を存分に活用して、大いなる探究心を持って、学問に賭ける自らの夢の実現に向けて努力して頂きたいと願っております。

現在、大学院教育の最も深刻な問題は、修業年限内の学位授与率です。
本学の場合、大学院学生は標準修業年限である4年間で学位(博士)を取得することを目指しておりますが、世界の科学研究の潮流としてより高度な研究が求められるため研究期間が長くなり、学位取得の必要条件である欧文雑誌への論文1編の掲載が4年間では達成困難になりつつあります。
修業年限内の学位取得率を上げるために、論文未発表でも学位を授与する大学が増えてきておりますが、本学では教授会や大学院教育委員会で活発な議論を繰り返し、安易な学位授与は本学の研究力低下の原因となることを懸念し、他大学とは一線を画し、これまで通り質の高い研究成果を維持しながら学位授与率を向上させることを目指して参ります。

医学教育・研究を担う者の責務、仕事量は益々大きくなっております。
また、度重なる改革により想定外の突発的な経費の支出が増えております。運営費交付金が財源となる教育・研究関連の財政基盤には限りがあり、本学を含む多くの国立大学はその対応に苦慮しております。本学においては様々な改革において他大学に遅れをとることが無いように、くま医もん基金(熊本大学医学教育・研究基金)を設立しております。多くの皆様からご寄付頂いており、本当に深く感謝致しております。

皆様におかれましては、引き続き、医学教育部の教育・研究活動への尚一層のご理解、ご支援の程、何卒宜しくお願い申し上げます。

2023年4月